車内の揺れ

実家に帰ってた。

先月家族がこっちに遊びにきてくれたとき、すこしホームシックになった。

それから1ヶ月経った。

少し老けた父親と母親。変わらず美味しいご飯。豊富な冷蔵庫の中身。清潔な布団などなど。

生活の基礎はすでにそこにあり、昔使っていたバスタオルがお風呂場にかかっていた。頂き物のお菓子も美味しかった。

そういったものひっくるめて、「仕事せず、親のすねの髄までかじり尽くして生活したいモンですなぁ!」って思いが喉元にこみ上げる。

頑張ってその思いをねじ伏せる。

帰り際に渡されたクッキーが唯一の燃料。基本的に先導者はおらず、たまに帰省しては、正しい目標地点を教えてもらう。

一緒に燃料のクッキーもぐもぐしながら歩いてくれる人がいればなぁと思う。実家からの帰りは雨。

新幹線が揺れるたび、目標地点が見えづらくなっていく。