笑う棺桶
人生を楽しく過ごすためには、笑顔でいるのが一番だと、
そう思っていても、いつか死ぬことを思うと一瞬真顔になる。
どこかのおばあちゃんが どこかの最年少オリンピック選手を見て、
「迷いなく明日を信じて進めるのが羨ましい」と言っていた。
事故で死ぬことも、病気で急逝することも考えず、永遠に
自分が続くものと信じる。これまで生きてきて、死んだこと経験が
無いから、きっとこれからも死なない。そんなよく分からない
考えで毎日は埋もれている。
棺桶に詰め込まれたとき、自分は良い顔で眠れているだろうか。
灰になって燃えるとき、一緒に燃えるものが花だけで、それだけで
満足するだろうか。
願わくば、これからも生きていく人の記憶の中で、たまにひょっこり
現れたい、使い古された考えが頭をよぎる。